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家族って? 

「私、今、入院してるんです。お見舞いに来てほしい...
小池さん、来てくれませんか....」

携帯電話の先の彼女は、こうささやいた。
普通ならば、行かない。行ってはいけない。

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お客様がわずらっている病。
そこに一定のラインより、深入りしてはならない。
それが、私たちがやっている商売の基本。

でも、私はその時、こう答えた。
「行くよ、今からは無理だよ。でも、明日、必ず会いに行くから。」

翌日、アロマオイルをしのばせ、向った病院の受付。

「せっかくきていただいたのですが、ご家族以外はあわせることが出来ません...」と看護師さん。

何度か食い下がってみたが、無駄だった。
ほっとした気持ちと、何もしてやれないむなしさを感じながら
病院を後にした。

彼女は、今、何を思っているのだろう。
何がそんなに苦しいのだろう。

家に帰ると
「どうだった?」と、珍しく夫が聞いてきた。

だめだったよ、家族以外は会えないんだって・・・





明日は、義父の命日が来る。
もう、10年以上も前の話。

入院した義父を見舞うのは、嫁である私の役目だった。
父の暴力と妄想に苦しめられ、はだしで逃げ回る子供時代をすごした
実の子供たちは、父の存在さえも、認めたくないように感じた。

そうではなかったとしても、家族ならなおさら、
鍵でロックされた鉄格子の病室を見舞うのを嫌がるのは当然だった。

病院の支払い、おやつや下着の差し入れ、
担当医からの呼び出し・・・

中でも、盆と正月に「外泊させてください」という葉書が来ることが
怖かった。

薬漬けの義父。妄想を繰り返し、突然起こす突拍子も無い行動。
幼い子供たちを抱え、夜中に殺されてしまうのではないかと、
怖かった。

それでも”家族”だから、外泊を引き受けないわけには行かなかった。

脅えながら正月を終え、タクシーで送り届けた病院。

めったに見舞わない親戚たちが、
嫁の私を責めた。

病人に”ぼろ”を着せていると。
病院に入れっぱなしにしていると。
嫁としての責任を果たしていなしと。

くやしかった、ただ、ただ悔しくてもあたる場所が無かった。
真新しい肌着に、大きな字で名前を入れて病院に届けた。

その時、看護師さんにくってかかった。
「親戚は、何もしてくれないのに、私の悪口を言います。
病人にボロを着せていると言います。あわせないようにする事は出来ないのですか?
家族以外に面会をさせないように。」


きちがいだった。このときの私は、明らかに正気ではいられなかった。
おかど違いな事を言って、看護婦さんにあたる、

異常な家族だと、自分の事をわかっていたけれど、
止める事ができなかった。


寒い12月後半、

義父の危篤の知らせを受けてかけつけた病院。

”嫁”の私の顔を見ると、「家族が来た」とほっとした目をして
大きく息を一つ吸って、旅立ってしまった。

義父の目は、私の事を”家族”だといった。
私を信じて、安心して逝ってしまった。

小さな小さな処置室で、一人ぼっちで号泣する私を
若い看護師さんが不思議そうな目で見つめた。

「娘さんですか?」
こう問いかけてきた。

「いえ、嫁です・・・」
こう答えると、本当に不思議そうな目で見つめてきた。

私は、自分がかわいそうで、ただ周りがにくくて、
この優しい人たちにあたってきた。

そして、優しくて、弱い”家族”たちは 

ただ、黙って逝ってしまった。


弱くて、いつも誰かを憎み、
誰かの言葉に勝手に傷つきながら生きていたあのころ。

「子供のころ、我が家はいつも喧嘩が耐えなかった。
それがすっごくいやだった。」

こう聞かせてくれた息子たち。

家族って、何だろう?

弱さをさらけあうものが家族かなぁ?
それでも、一緒に生き続けるのが、

家族かなぁ?

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コメント

家族

弱くても強くてもいい。
立派でも立派でなくてもいい。
「それで、いいのだぁ~」
と、天才バカボンのパパが言っていました。
「それで、いいのだぁ~」それが家族かなぁ~

大切なことや大事なことは失ってみて気づくもの。
失う前にどうして気づくことができないんだろう。
人間って愚かな生き物で愛おしい生き物です。
自分の生まれてきた意味は。。。
きっと、生きるために生まれてきたのだと思います。生き様、死に様を自分で構築するために。。。

義父さん、幸せでしたね!
姉さんと姉さんのの後ろの家族に出会えて旅立って逝けたのですね。

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