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どこへでも、探しに行くよ... 

今のアパートから、バスと電車を乗り継いで
一時間以上はかかる場所に元実家のお墓がある。

もう一つは、嫁に行って苦労して早くに亡くなってしまった
父の姉のお墓。その場所へたどり着くにも、80才を過ぎた父に
とっては、大仕事だ。

それでもお彼岸とお盆、お正月にはお墓参りをしたいという
父の願いは薄れる事は無い。

「とーちゃんが、お盆だから墓参りに行くんだって言ってる。
車で連れて行ってやってくれねぇかなぁ~」と母の言葉。

「いいよ、でも、今は忙しいからお盆が過ぎてからね」

というと、一人で行きたそうな父の表情。

「一人でバスで行けるでしょう?行って来れば?」

というと、パッと顔を上げて「ああ、行けるさ!」と明るい顔


行方不明になるといけない。
いつも、防災無線で
「○○町で△△さんが行方不明になりました。お心当たりの方は...」
とやっている情景が、ボケ始めた自分の亭主の心配と重なり、
母はいつも父に「一人で行ってはいけない、いいね、わかったね、
連れて行ってもらうんだよ」と諭す。

何でも一人でやってきた父。家族を守り、多くの人の為に尽力を尽くすという
人生を送ってきた人なのに、年を取ったら、迷子になるといけないから、
ひとりで隣町へ行ってはいけない、散歩も遠くへ行ってはいけないと心配される
自分になってしまった。


「良いじゃん、行ってきなよ、ゆっくりゆっくり行ってきたらいいさ」

娘の私の言葉に「行方不明になったらいけねぇ、けーってこれねぇなったらおいねぇ」と心配する母。

「いいよ、行方不明になったら、帰り道がわからなくなったら
探しに行くからさ、必ず探しに行くから安心して行ってくるといいよ」

こんなのんきな娘の言葉に年取った両親がへへへ...と笑う。

そうか、そうだなぁと...

父が認知症という診断名がついた数年前、この話を友にすると、
友は目を丸くした。

「なんで、何でそんな事がいえるの?心配じゃないの?」と...


でもさ、彼の人生じゃん。病気になっても家族にあれをやってはダメ、
これをやってはいけないと制限する権利は無いのかもしれない。

私だってこうやって言葉に出来るまでには戸惑う月日が必要だったんだよ

そう伝えると「そうか、強いなぁ...」と、友は言葉にした。


今年も例年通りお盆に一人で墓参りに行った父。
これもまた、例年どうり、訪問ヘルパーさんがやってくる日だという事を忘れており、
心配して探し回ったというヘルパーさんからはお小言を食らった。

夏の終わりに、車を運転しながらフッと思った。

そうだ ”どこへでも行って来い、人のやる事は何でもやってみろ”
これは、子供の頃、私が父からいつも言われていた言葉だったことを思い出した。

危険や変化を無意味に怖がる母に対して、父はいつもこう言い続けた。

「なんでも、なんでもやってみろ」と

年を取って、認知症になって、まさかその言葉が自分に返って来るとは想像も
していなかったことだろうなぁ。


どこへでも行ってみろ、なんでもやってみろ
若いうちにしか人は挑戦できないのだから


何でもやってみろ...

四十を過ぎた私に、父はまだこう言い続けたっけ...


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